みなさん、こんにちは。満室研究所所長の山岡 清利です。夏、真っ盛りで毎日暑いですね。私の住んでいる札幌も毎日暑くなってきてビールが美味しいです( 笑 )。
北国は夏の期間が短いこともあり、暑さの希少性からとことん夏を楽しんでしまいがちですが、この夏は空室にとっても厄介な事があります。
それは、拝水トラップが原因の臭いです。排水トラップの封水が干上がることで悪臭が発生する件については、前にも取り上げて説明しましたが、今日は別の原因の話をします。
□参照:長期空室の気持ち悪い共通点~虫の死骸・悪臭の原因と対策~
前回のコラムでは、洗濯機排水口や浴室の排水口から上がってくる下水の臭いや、トイレやキッチンの封水切れによる臭いについて、ラップをしたり、こまめに水を流したり、専用の溶剤を使ったりすることで、かなり防ぐことができると紹介しました。
ところが、その後、「 山岡さんのコラムに書いてあった対策をしてもまだ臭うんです 」という相談を意外と多く受けたのです。ということで、今回は上記とは別の対策方法をお教えします。
さて、こまめに水を流したり、専用の溶剤を使ったりしても消えない臭いですが、その原因は何なのでしょう?
答えは、キッチンや洗面台の排水のホースと配管の接続部に隙間があり、そこから、下水の臭いが漏れていること!
躯体の排水パイプと蛇腹ホースが密閉されていないため、下水の臭いが上がって来る
知っていれば簡単なことですが、知らない人にとっては盲点。なかなか確認する機会もなく、見逃しがちですので、注意してくださいね。
確認方法はキッチン収納を開けて、自分の首をキッチンに入れて臭いを嗅ぐ。それだけです。隙間がある場合、どことなく湿っている感じがしますし、とにかく臭いのです。それに、収納の床材が変色していたり腐っていたりするので、すぐわかります。
下水の臭いが出るということは、ホースと配管のつなぎ目に隙間があるということなので、このまま放って置くと湿気が上がってきて、キッチンの寿命が短くなります。防ぐためには、退去毎に首を突っ込んで臭いをかいでみましょう。
こんな状態で、入居者が何も言ってこなかったのが不思議です
他の方法としては、収納部分の床にある点検用のプラスチック製の蓋を外して、目視で確認するというものもあります。こちらは、より確実です。
この時、狭い点検口なので、どうしても目視するのが難しいという場合は、手を突っ込んで触ってみたり、携帯電話のカメラ機能やデジカメで撮影したりして、間接的に見るという方法もあります。
通常は、画像のようなキャップがついていて、隙間ができない作りになっています。本来はキッチンを取り付けた際に設置するのものなのですが、なぜか、設置されていない物件も意外とあるんですよね。
本来、このキャップをはめるのは設備屋さんの仕事です。しかし、このキャップは基本的にキッチンとは別売りのため、設備屋さんは「 オレは『 キッチンを取付ろ 』と依頼されただけだから、ないパーツは取付する必要はないし、用意しない依頼者が悪い 」と考えることも多いのです。
私の経験上、こうした施工不良は特に築古物件に多いようです。
「 自分の物件はキャップが設置されているから大丈夫 」という人も、入居者がキッチン道具を出し入れする際に、排水の蛇腹ホースに引っ掛けて、キャップがずれてしまうこともよくあるので、油断はできません。
同様に、洗面台の排水口のキャップがずれていて、床が腐っているということもあるので注意が必要です。いくらキレイでも、臭い部屋は敬遠されます。夏場は特に、注意してくださいね。
次回もお楽しみに~